2017年7月、がんの遺伝子研究で世界的に有名な中村祐輔さん(小47回)を、同窓生の方々が訪問しました。
滞在中、「the japan times」(7/8)で中村さんが紹介されましたので紹介します。
「一流のがん研究者中村祐輔が答えを追う」
遺伝医学・ゲノム解析の世界的権威である中村祐輔氏は1970年代に外科医としてキャリアを開始、その当時 二人の若いがん患者と関わった際の経験が遺伝性がんの研究へ進む動機となった。
1984年 ユタ大学へ留学、自らVNTRと命名した遺伝的多型マーカーを見つけ大規模な家系図が残されているモルモン教徒の協力を得て5年間がんや遺伝病の研究に取り組んだ。
彼の研究は功を奏し80年代後半には知られているDNAマーカーの約70パーセントがホワイト・中村マーカーであった。
米国では、医学の進歩に広く貢献する研究が高く評価されることを学んだ。
36歳で帰国し、癌研究会癌研究所や東京大学医科学研究所で20年余り研究を続け、2011年内閣官房参与、内閣官房医療イノベーション推進室室長を経て2012年再び渡米した。
現在はシカゴ大学医学部教授として中国人、エチオピア人、インド人、トルコ人などを含む13人の研究室を運営する。研究室では現在新しい免疫治療法やがん分子標的治療薬などの開発に取り組んでいる。
日本との大きな違いは「ここでは臨床医との直接の交流」があり「患者さんや社会が、治験の利益と不利益を十分に理解し」何より「薬物をより早く開発出来る」と話す。これはとても重要で特にテレビや新聞の偏った見方のもたらす影響が大きいと話す。
駆け出しの外科医だったころ出会ったがん患者や大腸がんで亡くなった母親の事を思いながらがん治療薬開発に取り組んでいる。
以上the japan times要約
中村祐輔さんに質問してみました。
「シカゴ大学に移籍されて5年目になりますね。ご自身の生活で何が一番変わったと思われますか?
「日本では講義や会議、資料作成などに忙殺されていましたが、こちらでは論文を読んだり、学生、若手研究者とゆっくり議論することができるようになりました」
「1週間に2.3回は全米のトップクラスの研究者が講演をするので、最新情報のアクセスがよい」
「臨床試験などの審査にも携わり、日米の格差がはっきりと見えてきた」
■中村さんは、日々の生活、研究のことなど多岐にわたる内容でブログ「中村祐輔のシカゴ便り」を発信されています。こちらもご覧ください。http://yusukenakamura.hatenablog.com/